特養は必要か? [感じたこと]
すぐそこまで来ている超高齢化社会。また認知症の方も400万人を突破することも目前。
そんな中、特養の待機者が多くいることはご存じの通りで、300人待ちなんていうのはよく聞く話。多くの方が複数申込みをしているので、実際の待機者数はまた別なのかもしれないが、とにかく「生きているうちには順番が回ってこない!」といった感想も聞かれる。
そこで国が全国に特養を増設していく方向だという。
でもこれは、またしても上辺だけのニーズを見ているだけ。その後のことを考えず、建設&建設&建設。例えば、超高齢化社会の後にくるのは、超少子化社会。きっと特養は余るだろう。
それよりも、もっともっと矛盾しているのが、「本人のニーズに沿ったサービス」とか「本人中心に」とか、いわゆる介護保険法の“措置から契約へ”といった流れになっているのだろうけれど実際は違う。
実際は・・・
「本人は特養に入りたいと思っていない」、「家族中心に」、「本人が選ぶサービスではなく、ケアマネか家族が選ぶサービス」
「認知症で契約ができなければ成年後見制度」
ではないだろうか?問題はもっと深いところあると思う。ただ、箱モノを準備すれば良いということではない。
●なぜ、在宅介護が破綻してしまったのだろうか?
●なぜ、巡回型や夜間対応型の訪問介護が創設されたが、本来の目的は?
●小規模多機能はなぜ運営が厳しい?
挙げるとキリがないが、国の思惑がことごとく外れている。それでもまだ特養を増設して、税金の無駄遣いを考えている。今現在も人手不足と言われているのに。学校の先生たちは進路指導で、「介護業界は勧めないなぁ」と言っている。誰が今後の介護業界を担っていくのだろう?
まずは本来の、本当の、心の裏にあるニーズを把握し、本当に必要な支援を必要な個所に必要な時間を提供することができれば、それが本来の介護保険法の施策ではないだろうか。
「特養に入ったらずっと上を向いている。何も言わずに。。。」
「あっという間に寝たきりになってしまった。」
「もう少し在宅介護を頑張ればよかったと後悔している。」
こんな声も少なくない。なのに特養はこれから増設が必要か?
地域が特養になれば解決すると思うが・・・。皆さんはどう考える?
前田さん,こんばんは.
ブログを時々拝見しますが,非常に共感しております.
ぼくは在宅診療にも積極的に取り組んでいますが,ぼくがいま担当している在宅患者さんの半数以上が認知症患者さんです.個人的には認知症患者さんは在宅で見ることが良いと思うのですが,家族の深刻な介護負担を思うと,多少複雑ではあります.
ところで,ぜひ前田さんのお話を直接お聞きしたいのですが,仮にぼくがお伺いすればお会いいただけますでしょうか?
ぼくも,認知症診療を何としたいと考えていますので.
by だい (2011-07-13 02:03)
>だいさんへ
コメントありがとうございます!
家族の深刻な介護負担、
確かに何とかならないかと考えております。
ただ介護保険は社会全体で支える仕組みで、
利用するのは本人であり介護者は利用できない。
介護者はまた別のサポート体制が必要であり、
介護保険と切り離して考えたほうが良いです。
例えば介護者憲章なるものを制定し、
目的を家族支援100%にしたり。
海外の事例では・・・
または地域を変えて・・・、
長くなりますから、
直接お話ししたほうが良さそうですね(笑)。
だいさんがお越し頂けるのですか?
それならばご提案ですが、
8/28(日)に「つながりの開」主催の本人・家族交流会があります。
そこにスペシャルゲストとして参加頂き、
本人や家族の本音を聞いて頂いた後、
交流会終了後に2~3人ぐらいで飲みながら・・・というのはいかがでしょうか?
もしくは別の日でも構いませんし、お邪魔でなければ私がお伺いしても良いです。
いずれにしても、是非、日程調整をして認知症に関するお話をしたいですね!
連絡先などは、上のメールフォームからメールを送付頂ければ、だいさんに返信致します。
楽しみにしてます!
by Maechan (2011-07-13 11:54)
Maechanさん、こんばんは!!
特・養・・・うちの祖母も入所しています・・・
複雑です・・でも、叔母がひとりで面倒を見ているので
在宅は難しく・・・無理でした・・・
叔母は古い人間なので、自分の親を施設に入れたことをに
罪悪感を持ち、仕事で忙しいのに、自分の体もがたがたなのに、
一生懸命に施設に通い、世話をしています・・・
パタには、特・養がいらない! なんて、言えません・・・
他の選択肢があれば・・・もっと違った介護ができたかも知れませんね・・・
難しい問題です・・・
by パタ (2011-07-13 20:02)
前田さん,こんばんは.
介護者を支える別のサポート体制,というのはとてもすばらしい発想ですね.
メールフォームからメールを送らせていただきました.よろしくお願いします.
by だい (2011-07-13 20:35)