デイサービスの外出について [介護・福祉の疑問]

①「デイサービスの儲け主義に利用されている。ここまで税金でやるべきではない。予算の無駄。」

②「デイサービスはデイの申請をしたデイルーム内で1日を過ごすべき。そもそも何故、デイサービスに外出が必要なの?ケアマネさんはデイサービスに行くことが外出だと言っていたけど??」 

世間一般の人たちからこんな意見を頂いた。これが世間一般の人たちが抱いているデイサービスのイメージであると共に、本質を知って頂く努力を怠っている私たち専門職への挑戦状だ。

まず①の意見に対しては、一部の儲け第一主義としているデイサービスの印象が強いのだろうか、デイサービス全部が嫌われている。まぁ、それも仕方がないのかもしれない。なぜなら、社会全体で支える仕組みの介護保険制度だが、保険料と称して強制徴収されているのだから。

俺は(私は)まだ介護など関係ない、そう思っている人たちは、この感情を抱きやすいと思う。だからこそ、デイサービスを始めとする介護福祉サービスの必要性と本質を一般の人たちに知って頂く努力をしなければ、社会の一部が支える制度となってしまう。

もっと自分事として捉えてもらうためにも、身近なことだと知ってもらうためにも、 私たちは広く世間にアピールし、周知と理解を図れるよう、努力しなければならない。この業界の中だけで一生懸命に吠えていても、井の中の蛙だ。

次に②の意見に対しては、少し介護保険制度を知っている人からだ。これは、おかしなことに同じ介護保険制度にも関わらず、都道府県によって解釈が違うことから生じているのだ。A県は「外出は心身機能の維持・回復、または気分転換にもつながることから、デイサービス中における外出は可とする」、B県は「デイサービスとは申請時のデイルームにおいて、心身機能の維持・回復に努めることであり、デイサービス中の外出は介護サービスの対象外である」、C県は「外出は家族の役割であり、介護サービスの範疇ではない」など多様だ。

だからなのか、ケアマネにも解釈の違いが出ている。「デイサービスに行くことが外出」これは嘘だ。なぜなら、自宅(箱)→車(箱)→デイサービスセンター(箱)と、箱から箱の移動だけだからである。しかも、デイサービスは座っている時間がとにかく長い。時間全体の8~9割は座っている。歩くのは移動とリハビリの時間だけ。これじゃぁ、①の意見を言われても仕方がない。

そこで、①②両方の意見に対して、今後のデイサービスが目指すべき在るべき姿を少しお伝えしたいと思う。

image.jpg

上記図の「想い」・・・人は、何らかの想いを持っている。例えば、社会とつながっていたい、働きたい、友人と〇〇したい、恋愛したい等。

「場」・・・デイサービスセンター、集会所等のこと。ここに人は想いを持って集まる。現在はこの場に集まり、そして解散するのみ。

「地域」・・・町、商店街、町内会等のこと。ここに人が持っている想いを実現できるモノが沢山ある。これからは地域とつながっていくことが求められていく。

つまり、現在はデイサービスに行くことが目的となっているが、今後はデイサービスに行くことは手段であり、そこの場から地域とつながり、想いを実現していくことが目的となるのだ。

そして、その想いを実現することがQOLを高めることにもつながり、生活機能の維持・回復にもつなげられるよう、生活場面をしっかりとアセスメントすることで、専門性も確立されるのではないだろうか。その専門性を世間一般の人たちに伝えることができるようになれば、①②のような意見も少なくなるものと思われる。

専門性のインプット、それを世間一般に知ってもらうためのアウトプット(易しく理解しやすく伝えることが重要)。これが大切であり、やらなければならないことだ。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。