冷酷?温情?ブラックユーモア [感じたこと]

先日、「つながりの開」主催の認知症本人・家族交流会を実施した。来る11月13日(日)に開催されるtitlehead.JPGのよさこい踊りに出場するため、本人・家族・サポーターが一緒に練習をした。詳しくは参加者でもある方のブログで紹介している。→http://blogs.yahoo.co.jp/isetaro0611/14225283.html

今回は、そんな練習会場に参加された“婆ちゃん”のこと。

14人兄弟の末っ子ということもあり、自由奔放のお転婆でイタズラ好き。まさに[いじわるばあさん]のモデルとでも言うべき人。そんな“婆ちゃん”とは7年くらいの付き合いがあるだろうか、お互いに信頼している。

そして嬉しいことに何でも言い合えるような関係にもなった。だからこそ、会話内容は非常にブラックなものも含まれる。例えば、

婆ちゃん「ちょっと!あそこのヨボヨボ爺さん、足でも引っ掛けてやろうか?」

私「いやいや、骨折して手術してリハビリを経て、歩けるようになってきた人ですよ?頑張っているんです。」

婆ちゃん「あら?そうなの?あたしゃ、てっきり歩けなくなってきたと思ったよ。でも、歩けなくなったら死んだも同然ねぇ。」

私「どうして?」

婆ちゃん「歩けなくなったら、どこへも行けないじゃない?お世話になると言っても、連れて行ってくれないでしょう?歩きたくても車椅子に乗れ、乗れってうるさく言われちゃうしねぇ。刺激のない安全な生活なんてつまらないわ!」

私「じゃあ、多少危険でも刺激がある生活のほうが面白い?」

婆ちゃん「当たり前じゃない!あたしゃ、今でもパン食い競争なら負けないよ!勝負してみるかい?」

私「パン食い競争しながら、滑って転んで頭打って死ねるのなら本望だ?」

婆ちゃん「あんたも言うわね(笑)」

私「でもこのままだと120歳まで生きちゃいそうだけど?」

婆ちゃん「嫌だよ~、そんな歳まで生きたかないよ~!もう今すぐにでもお迎え来ないかしら?」

私「そういう人に限って長生きしちゃうんだよねぇ。どうしたものだろう?早く逝けるように、船でも作っておく?もちろん、三途の川をスイスイ~って渡れるように。」

婆ちゃん「泳いだほうが早いわよ(笑)!」

私「じゃ、バタ足がしっかりできるように、足だけは鍛えておきますか!」

婆ちゃん「あんたが担いで渡ってくれりゃ、良いじゃない!」

私「それじゃ、一緒に死んじゃうじゃない(笑)!姥捨て山になら喜んで担いで行くけど?」

婆ちゃん「あ~はっは!あ~面白い!あんたも言うようになったわねぇ(笑)?何だか今日は楽しいねぇ!踊りたくなっちゃうよ。」

私「腹踊りでもしますか!」

こんな感じの会話だったと思う。もの凄くブラックユーモアが織り込まれて、他の人が聴いたら???と眉を顰める内容かもしれない。ただ、この会話には2つの重要なポイントが隠されている。

①これを新人スタッフや関係性が構築されていないスタッフが真似をすると、本人は非常に傷付き会話は失敗に終わる。

②本人は足が衰えていくことや年齢的にも死が近付いてきている不安、認知症の自覚による不安等を持っている。

この②の不安や想いを汲み取りながら、“居るだけで安心”という気持ちになれる存在でありつつ、心を全開にして、全てを受け止めていける心構えを持たなければ、この会話は成立しない。

これを一言で表すと“寄り添う”ということになるのだが、決して“隣に座る”ことではないことを予めお伝えしておきたい。また心を全開にしなければ、相手も全開にならないのだ。

①に対して敢えて説明はしないが「あんたに何でそんなこと言われないといけないの!」と言われてしまうだろう・・・。

会話の内容やスピード、話し方や素振り、立ち位置や座る位置、人それぞれに合わせて変えていかなければならない。本人が心地よく思えるように。


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パタ

いや~~うちの和子の話かと思いました!! (爆)

そうなんですよね・・信頼関係が無いと、「なによ、あんた??」 って怒っちゃう^^;

ポンポンと受け答えしている最中って、頭がフル回転してるでしょ??

それって、すごく大事だと思います。

だから、Maechanみたいなブラック言い合える人がいる・・って、有り難い事・・

こちらから心を開く・・心がけなきゃいけない事ですね!!

ちなみに、うちは超ブラック一家なので・・

他人が聞いたら、思いっきりひく・・と思います(笑)
by パタ (2011-10-18 17:58) 

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