広がる「就労介護」 [積み重ね]
何度かお伝えしているが、若年認知症の本人が介護サービスを利用しながらボランティア就労し、それに対する謝礼を受領することが可能になった。
これは厚労省からの通知(2011.4.15付)が基になっていることなのだが、全国でも通知を受けて動き出し始めている。
北海道の函館から程近い七飯町。ここでも若年認知症の本人が地域住民の協力や町のバックアップを受けて、働く農園がある。無農薬野菜や卵を販売するまでの過程に携わり、草取りなどの環境整備や餌やりなどを実際に担っているらしい。近くNHKでの放送や北海道新聞に掲載予定だという。
また九州熊本県では、敷地内の筍を掘って販売しているという。ここの情報が載っていたのでご覧頂きたい。→http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110520-OYS1T00679.htm
徐々に全国の北から南まで「就労介護」が広がってきている。なぜ広がったかというと、それは本人の想いに、ただただ応え、誰のための介護サービスなのか?何のための介護サービスなのか?そもそも介護保険は社会全体で支え・・・、という概念というよりも根本を見直してもらうきっかけがあった。
本人のための介護サービス、社会参加を再び可能にするため支援するための介護サービス、それが介護保険であり、その制度を社会全体で支え合う仕組みのはずだ。
それはリハビリという概念に似ている。
ただ認知症のリハビリというと、身体的なリハビリ(平行棒や機械など)とは違い、社会参加を再び可能にするような仕組みがそれに当たるのではないだろうか。
活動に参加することで、自然にリハビリになっている。しかも本人の望む活動が中心となり、継続もしやすい。少なくとも室内でのベンチサッカー、おもちゃボーリングなどの子供騙し的なものよりは効果があるだろう。それは本人の表情や様子が物語っている。
「就労介護」を少しまとめてみた。
アナタが認知症になった時に、どんな社会参加をしたいかを常に考えてみる。すると、今既存する介護サービスは一歩引くか、疑問に思い利用したくなくなるはずだ。
新たに考える時期にきている。一緒に考えてみたい人は、メールまで。