抑制デイサービス [感じたこと]

「今日は暑いので、皆さん室内で過ごしましょう!」と張り切って伝えるデイサービスの職員を見かけたことがある。

この一言が出た瞬間、『1日室内に閉じ込め作戦』がスタートする。それはデイルームという閉鎖的な空間に閉じ込めることで、ある意味、抑制だ。

スタッフは作戦内容として“どのように時間を潰す”かで頭がイッパイ。出入り口近付に行こうものなら「あちらでお茶でも飲みませんか?」と絶対に外へ出さないようにする。

何度も続くとスタッフはピリピリし始めて、その人を見張り始める。

また過ごし方としても、趣味嗜好や個性など一切考慮せずに全員で塗り絵。しかもスタッフは本人たちの周りをコツコツと試験監督のように歩き回る。やりたくない人がいたら「塗りましょう!楽しいですよ!」と見当違いの声掛け。

そしてついに、「なんだって俺が、こんな、こんな、違うんだよ!このやロー!!」と一人の男性が立ち上がると、その人は“暴言”“拒否”という言葉の首輪を付けられてしまう。

他にも全員で体操やら歌やら・・・。とにかく全員参加が基本になっていて、規律正しい。ここでも「○○しないと帰れませんよ~」とか、「○○しないと食事が出ませんよ~」とか。イントネーションは優しいが、内容は刑務所と同じ。

本人中心ではなく、スタッフ中心の抑制デイサービス。まさに刑務所。

私なら行きたくない。もし私が認知症で「行きたくない!」と声に出せずに体で表現したら、この抑制デイサービスからは“暴力”“拒否”という首輪を付けられてしまうのだろうか。

完全な人格否定と精神的苦痛で傷害訴訟を起こすと思う。

また戻るが、「今日は暑いので、皆さん室内で過ごしましょう!」の内容に皆さんは引っ掛からなかっただろうか?

何故、暑い日は外出できないのか?高齢者だから?認知症だから?

専門職であれば逆の考えが浮かんでくるはず。

朝から利用者回収車の送迎車両が自宅前まで迎えに来て、車内はクーラーで快適。数十分も揺られて到着した先のデイサービスもクーラーで快適。一日室内にいれば「新年明けましておめでとうございます。」という季節になるのも当然。

日めくりカレンダーをスタッフが指差しても、数分後に「新年明けましておめでとうございます。」になるだろう。

この暑い日差しの中、外出することに意味がある。

それは否応なく感じる暑さ、蝉の声、木々の深い緑色・・・、体全体で、それだけで“夏”と感じることができるだろう。私はそれを“ピント調整”と言っている。

水分不足や体力面を考慮するのは当たり前。どこまでなら行けるか、どんな目的を持ってもらうと行こうとする気持ちになるかを考えることが、専門職の仕事ではないだろうか。

そう言うと、往復車両移動で、行先は美術館となりがち。それだとピント調整はできない。

外出することで社会とのつながりを維持できる。

デイサービスは決して社会から切り離された陸の孤島ではないのだから。


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コメント 3

パタ

その通りなんです・・・

パタ、今悩んでいます・・ママのデイは・・

多分、Maechanがおっしゃるような「抑制デイサービス」なんです・・><

母は一番認知症が軽く・・デイに行くのが嫌で・・ヘルパーさんに来てもらうのが嫌で・・・

でも、私は安心だから・・便利だからとママの意見を無視し・・

来月から日数を減らすからと言って、我慢してもらっているんです・・・

小規模多機能さんなので・・簡単には変えられず・・・

どうしたものかと迷っています・・

来週妹達と話合う予定ですが・・きっと、Maechanは、そんなところに行くな!! っておっしゃるでしょうねぇ・・・ ^^;


by パタ (2011-08-10 19:38) 

Maechan

>パタさん
お早うございます!
いつもコメントありがとうございます!!

パタさんも段々と私の考えがわかってきているみたいで(笑)。
確かに、「そんなところに行くな!!」ですけど、
まずはケアマネに想いや悩んでいいることを全部ぶつけて、
スッキリしてみては?

ぶつけることで壁が崩れてくることもあります。
また抑制に気付いていないで、
それが正しいと勘違いしているスタッフも山ほどいます。
ぶつけられて気付き、変われば良いのですが。

ケアスタッフというのは、本人はもちろん、家族にも鍛えられることが多くあります。
なので、今回例えば、“サービスについてアンケートしてみる”ということをケアマネに提案すると良いかも。

無記名だから好きに書ける。そして気付いて変わっていく(変わらなければ「そんなとこ行くな!!」になります)。

変な話、パタさんがその小規模多機能事業所を育てていくような感じです。しかもこっそりと(笑)。

本来ならば、パタさんやママの想いが完全重視されることが前提なのですが、
日本の文化、介護保険システム等々のおかげで、
ある意味、本人は人質になっていますからね。
お世話になっているから・・・と。

「お世話さま」という素晴らしい文化なのですが、
介護保険の自立支援という考えからは、
「お世話する人」「お世話される人」という分け方ではないですから。

人質を取られているので強く言えない。
これは課題として私も取り組んでいきます。

直接的な支援は難しいですが、
間接的な支援やアドバイスなら出来ますので、
辛いときはいつでもご相談下さいね。
by Maechan (2011-08-11 09:37) 

どうもありがとうございます!!!

ハイ、Maechanの考え・・読めます・・(笑)

今朝、ケアマネさんと話ができました。

少しづつ、変えて行こうと・・^^

極端な話、デイに関しては、all or nothing的に思ってしまっていたので・・

でもそうじゃない。 減らせるところは減らし、でも見守りは続ける・・

で、お願いしました。

ママには、不穏が過ぎ去った頃、話をします (汗)

「お世話になっている」 ←←常に感じていることです。

パタ的には、ママが人質では無く・・・ヘルパーさんがママの犠牲者・・なので・・(爆)

かなり、ありがたく思っているんですよ~~~ ^^;

私もママの事を機会に成長したいです ^^

いつも、応援ありがとうね!!!

パタもMaechanを陰ながら・・応援していますよ~~~

あっ、今日動画ですね^^
by どうもありがとうございます!!! (2011-08-11 14:19) 

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