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認知症と寿命 [介護・福祉の疑問]

「認知症になってまで長生きしても仕方がない」といった意見があった。つまりそれは、認知症になったら人生が終わってしまうこと、認知症に対する恐怖、認知症になりたくない気持ちがしっかりと表れている。

認知症とは死の病なのだろうか。

病状は進行する。そしていつかは寿命を迎えることになるだろう。ただ、認知症が原因で死亡することはない。では何故、認知症は忌み嫌われているのか。

HIVやガンも進行する。けれども、人生が終わってしまう程に感じることは少ないのではないだろうか。それはHIVやガンになったとしても、自らが望む生活(人生)を送ることができるからだと思う。

それはHIVやガンの人は自らの意志で、自らのことを決め、自らが望むように生活を送ることができる。つまり、HIVやガンになったとしても人生の主人公でいることができるのだ。

では認知症の場合はどうだろう。

自らの意志とは関係なく、周囲の人が勝手に決めつけ、自らが望んでいない生活を余儀なくされる。つまり、認知症になってしまったら、人生の主人公ではいられなくなる。これが人生が終わってしまうこと、恐怖、認知症にはなりたくないといった気持ちにつながっている。

それでも今後は認知症の人が高齢社会に伴って増加し、400万人を超えていくという。80歳以上では4人に一人、65歳以上では10人に一人、若年認知症(18~64歳)まで含めると誰もが認知症になる確率だ。明日は我が身とはこのこと。

しかし、現在では認知症になってしまうと前述の通り“お先真っ暗”の社会である。では、どうしたら良いのだろうか。

それは認知症になっても人生の主人公でいられるような社会を創設していかなければならない。つまり、認知症になっても自らの意志で自らのことを決められるよう、また自らが望む生活(人生)を送れるよう、今からアクションしていかなければならない。

アクションとは一つではなく、様々な方法があると思う。個人でできること、企業や団体としてできること、行政ができること、国や政府としてできること、色々と方法がある。

「認知症になると10年生きられれば良いほうだ」と言われていたが、20年~30年、40年と定説が覆されている。その長い残りの人生を充実した人生に、楽しかったと言える人生になったほうが良いのは言うまでもない。

認知症になっても趣味が続けられ、社会的役割も持ち続けることができ、家族で笑って生活ができるよう、自分としては何ができるのか今一度考えてみよう。きっとできることがあるはず!


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介護職の給与 [介護・福祉の疑問]

今回から世間で感じている「介護・福祉の疑問」に答えていきたいと思う。世間一般と私たちの世界とでは、考え方や捉え方の温度差が激しい。

例えばお金や給与に関すること。

世間一般では「介護をして給与をもらうのは罰当たり」「特養やデイサービスのレクなんて、地域の集まりでやっているのと同じ。それなのに料金が発生するのはオカシイ!」等。

どうも介護という職業が認められていない気がする。お嫁さんでも出来る、家政婦さんに毛が生えたようなもの、主婦の副業といったイメージが強い。

確かに私たち介護職や福祉職の中にも、志が低く誰でもできる仕事と思っている人が多い。いわゆるプロではない人たちなのだが、プロではないから倫理や技術を持ち合わせていない。

ただ、そこに専門性を持ち、倫理と技術を持った志が高いプロもいる。私はそういった専門職は弁護士等と一緒だと思っている。だからこそ、料金も発生するのは当たり前だし、何ならもっと高い料金でも良いのでは?とさえ考えている。

会話における技術を一部紹介すると、①パーソナルスペース ②オープン、クローズドクエスチョン ③非言語コミュニケーション ④言語コミュニケーション ⑤傾聴 ⑥声の抑揚 ⑦環境 等々を駆使して本人を知っていく。知り得た情報を他のスタッフとも共有するために、定められた記録形式に簡潔にわかりやすく記入する。また定期的かつ継続的なミーティングの開催。

どうだろう、会話一つとっても専門性が高いのは一目瞭然ではないだろうか。 しかも多くは雑談の中で知り得たい情報を得ていくのだ。技術と知識と経験の3本柱が必然となってくる。

そこに介護の技術がプラスされる。身体介護とは、1~10まで全てを行うことではなく、1~10の中でピンポイントの支援を行うことが大切なのだ。

私たちの日常生活を線で表すと1線で記入できるが、支援が必要な人は線と線の間が点線になっている部分がある。そこの点線を支援することによって、線がつながるのだ。そこの点線支援では、①何があればできるのか ②どういった支援が必要か ③環境の工夫 ④生活しづらさの原因 ⑤病気の理解 ⑥生活の導線 ⑦精神的ケア ⑧認知症 等々が挙げられる。

そして地域や社会との関わりを把握し、つなげていくかもしれない。

その人の生活を支援していく仕事、それが介護・福祉の仕事である。それは、人の支援から町づくりまで幅広いものであり、専門性が求められるものである。

会話と介護、地域や社会との関わりのみを挙げたが、他に挙げるとキリがないほど専門性が高い。だからこそ、専門性を持っていないプロでない人たちを見るとガッカリするのと同時に怒りさえ湧きあがる。

プロではない人たち、即刻退場!である。 


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